
過去の類似課題
過去に出題された類似の課題を以下にあげます。
(設計製図試験課題一覧参照)
- 昭和49年「市街地周辺の宿泊施設をもつ小研修所」
地上2階建、延べ面積1,900m2以下の条件で、道路は西側と北側の2面、東側と南側は住宅の設定となっています。
- 昭和60年「研修施設」
地上5階、地下1階建、延べ面積2,500m2以上2,800m2以下の条件で、道路は北側が7m、西側が6mとなっており、南側には6mの緑道があります。敷地内の北西の角に10m×10mの史跡があり、保存が義務づけられているのが特徴です。
- 平成8年「景勝地に建つ研修所」
地上2階、地下1階建、延べ面積1,500m2以上2,000m2以下の条件で、北側は道路(幅員10m)を挟んで山々を遠望でき、南側は湖が広がり、南北方向とも景観が良好とされています。建設用地は、南北の高低差が4mの傾斜地となっているのが特徴です。

宿泊室とスパン割
右図は、宿泊室の設定がツインで約20m2の場合のスパン割の例を示します。
左側は7m×6mで、廊下を宿泊室グリッドの外側にとらなくてはなりません。
右側は7m×8mで、廊下を宿泊室グリッド内部にとることができます。
以上のように宿泊室の要求面積により、スパン割に制約がでてきますので、上層階を宿泊部門とする場合、1階を決めてしまってから上を考えようとすると、うまくおさまらないことがありえます。
したがって、例年の課題以上に、各階並行してエスキースを進めていかないと、はじめからやり直しなどということにもなりかねません。

宿泊室の設置
その二で示しましたように、約20m2の宿泊室であれば、1グリッドに2室ずつとれることになります。例えば、下図の片廊下Aのような宿泊ブロックの場合、宿泊室を並べる方向に何スパンとれるかで、1つの階に確保できる宿泊室数がみえてきます。片廊下Aでおさまらなければ、片廊下Bや中廊下で検討してみればいいと思います。
また、4階建で3、4階(基準階)を宿泊部門とするのであれば、要求宿泊室数の半分を1つの階におさめることで、宿泊ブロックの形が決まってきます。

大空間の断面的設置
200m2や300m2の多目的ホールなどが設置されると、天井高も5m以上などの条件になってくると思います。このような場合に気をつけたい点をあげておきます。
- 大スパンになるので上の階に室を設けない
- 天井高が高いからといって、安易に階高を上げずに2層吹抜けとする
- ホールを上の階に設けるほど、動線・避難にリスクは生じるが、床の配分は楽になる

大空間の平面的配置
200m2〜300m2程度の多目的ホールなどを設けると、上の階の平面は長方形でなく、L字形やコの字形などの形態になってきます。
1階に大空間を設けた場合に注意したいのは、上の階の大空間部分は吹抜けとなり床として使えませんので、これを除いた部分に所要室を配置し計画していかなくてはならないということです。
残った床の形態が複雑であればあるほど、所要室を配置するのは難しくなるし、動線も長くなりがちです。こういった宿命を背負っていながら、残る床のことを意識せずに大空間の位置を決めてしまうと自ら自分の首をしめてしまうようなことにもなります。
特に2方向避難上の重複区間距離には注意をはらいながらまとめていくことが必要です。

事前に用意できるプラン
各部門のゾーニングや所要室の配置は、本試験を含み各課題ごとに検討していくべき内容になります。しかし、2時間目に作図時間の短縮方法として標準グリッドに納まるエレベーターと階段のパーツ、トイレのパーツについてふれたように、事前にプランを用意しておけるものもあります。
多目的ホールの座席や宿泊機能のある施設であれば管理人住居にも同じことが言えます。管理人住居が要求された場合を想定すれば、2DK程度のプランを事前に用意しておくとよいでしょう。ちなみに、採光を考えれば、住居は建物の端部に配置されることも忘れないでください。
多目的ホールの座席の取り方は、ホールの幅を14mとした場合、真中に1mの通路を取ると1列ちょうど20席ずつ配置できますので、要求された座席数によってホールの奥行を決めていけばいいことになります。

合格するぞ!
本試験までには、「5時間30分で完成できる」という自信をつけておくことが必要です。
また、エスキースを進める上で、考えなくてよい点にこだわってしまい、本来考えなくてはならない点をみのがさないようにすることです。このためには、自分の図面を客観的に評価できるようにしておくことも必要です。
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