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◆難易度の本質
今年の設計課題が「高齢者施設を併設した集合住宅」となりましたが、これから対策を進めていくにあたり色々な不安があることでしょう。
平成5年の課題「 メゾネット住戸のある集合住宅(3階建)」が、かなり難易度の高いものであったこと、今年の「集合住宅」の解釈も、一般的なマンションなのか?建設省が進めるシルバーハウジング・プロジェクトに基づいたものなのか?老人ホーム自体の解釈なのか?といった様々な推測も不安の要因になっているかと思います。
しかし、こういった機能の理解は、課題を積み重ねていくことで、解決していくものです。
昨年の課題「多目的ホールのある事務所ビル」も、相当難易度の高い内容でしたが、これを例に、課題の条件が難しくなる要因について考えてみます。
昨年はSRCであったことが、難しかった理由のように思っている方もいるでしょうが、試験後に発信した一言でも言いましたように、SRCであったことは本質から少しズレているように思います。
なぜかと言えば、昨年の課題はSRCをRC(一部S)と読みかえて(もちろん事務室の無柱空間の条件は外します)まとめようとしても、厳しい条件であったことに変わりはないからです。
◆所要室を納めることの難しさ
昨年の課題は、地階を除く床面積の合計が4000m2以上4500m2以下という条件でした。
この中間4200m2〜4300m2程度でボリュームを設定しエスキースを進めていくのが一般的な解答方法ですが、下限4000m2に近くなれば所用室を配置するのはきつくなりますし、上限4500m2に近くなれば当然余裕が生じて納めやすくなります。
「多目的ホールのある事務所ビル」では、所要室の設置階が指定されていましたが、1階の条件は室どうしのつながりの制約も多く、無駄な空間をつくってしまうと、条件を満足するような所要室の配置ができなくなるのが特徴です。
苦しくなって、1グリッド分床を増やそうとすると、今度は他の条件にさらに苦しめられます。
この条件とは、「400m2以上のオープンスペース」で、屋外にあるのです。
エスキースがうまくいかない場合の要因として、内部の条件が厳しく所要室が納まらないので、床を増やして解決しようとすると、今度は屋外の条件に制限されてしまうということがあげられます。
これは、「 メゾネット住戸のある集合住宅(3階建)」でも、「150m2以上の広場」が、この魔の条件に当てはまると思います。
これからの試験対策として、課題のタイトルに着目することは、もちろん重要なことです。
しかし、機能の理解や描くスピードだけを対策の尺度にしてしまうと、無駄なスペースが生じるような組立ての習慣がついてきても、練習課題が時間内に完成することで満足してしまうものです。
本試験で「所要室が納まらない!」とパニックにならないよう、こういったことを意識しながら練習課題に取組んでいくことも必要だと思います。
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1999年7月30日
建築士の塾 木藤浩実
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