今年の法令集について一言!で言いましたように、
今年の試験では、5月1日から施行される部分までが、適用される法令となります。
以下項目別に、過去問の記述を例にして、学習上注意すべき点をあげてみます。
◆接道義務に関する注意点
法第43条第1項のただし書の部分が改正され、接道に関する例外規定に特定行政庁の許可が条件づけられています。
過去問では、「建築物の敷地は、原則として、道路に2m以上接しなければならないが、建築物の周囲に広い空地がある場合などで安全上支障がないときは例外とされる」という記述は、正しい内容でした。
しかし、法改正によって、このままでは、「例外とされる」前提条件が不足していますので、正しい記述とは言えなくなっています。
法規の場合、他の教科とは異なり、記述に対し「最も適当か・不適当か」ではなく、「正しいか・誤っているか」の選択になっています。これは、法令に照らし合わせて判断すれば、白黒はっきりするからです。
上の内容を「建築物の敷地は、原則として、道路に2m以上接しなければならないが、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したときは例外とされる」または「建築物の敷地は、原則として、道路に2m以上接しなければならないが、特定行政庁が許可したときは例外とされる」とすると正しい記述になります。
◆道路内の建築制限に関する注意点
法第44条第1項第二号に、特定行政庁の許可が条件づけられました。
改正前は、特定行政庁の許可が必要になるのは、第四号の公共用歩廊(アーケード)等のみでしたが、第二号の公衆便所等にも許可が必要になっています。
これも過去問で見てみますと、「道路内であっても、通行上支障がなければ、特定行政庁の許可を受けることなく、巡査派出所を設けることができる」という記述が、法改正によって正しいものでなくなっています。
これを「通行上支障がなくても、道路内に、特定行政庁の許可を受けることなく、巡査派出所を設けることはできない」とすると正しい記述になります。
ここからは余談になりますが、第二号では、特定行政庁の許可+建築審査会の同意を一体化して掲げていますが、第四号では、建築審査会の同意を第2項に分けて掲げています。この点も今回の改正で、なぜ同じようにスッキリと改正しなかったのか?という疑問を持つ方もいることでしょう。
法規を読むのがあっちのページにいったりもどったりと、面倒になっている原因にもなりますが、法第44条第2項は簡単にはなくせないのです。
なぜなら、特定行政庁が許可する場合は建築審査会の同意が必要であるというこの規定は、法第55条第4項などから準用されているからです。
準用する先がなくなってしまうと、法第55条も改正しなくてはならなくなります。
このように法令の条文は、一度掲げたことを後で繰り返して掲げることはせず、準用という方法を取りますので、前の条文までさかのぼらなければならないこともあり、どうしても読むのが面倒になります。
しかし、この面倒さを克服できると、法令集を道具として使いこなせるようになります。
続きは、また後日...
ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。
1999年3月26日
建築士の塾 木藤浩実
|