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◆夜間のゾーンと昼間のゾーンとで位置づけは切りかわる
施設利用者が日常使用するゾーンを、ものつくり体験ゾーンと宿泊ゾーンに大きく分けて考えてみます。
ものつくり体験ゾーンが日中使用されるゾーンであるのに対し、宿泊ゾーンは
主に夜間から朝にかけて使用されます。
したがって、同じ施設利用者が使用するゾーンであっても、使用される時間帯が異なるという点が「宿泊機能のある「ものつくり」体験施設」の大きな特徴であると言えます。
宿泊機能のあるこのような施設の場合、2つのゾーンを平面的に分割して配置する「分棟タイプ」と、宿泊ゾーンを上階に配置する「積層タイプ」とに大きく分けられます。
何れのタイプにしても、ものつくり体験ゾーンと宿泊ゾーンを分離することが基本になっていると言えます。
さて、ここから宿泊ゾーンの時間的な変化をストーリー立てて考えてみます。
ものつくり体験を終えた施設利用者は、夕食を済ませて各宿泊室へ入室することになります。
施設利用者は、ものつくり体験ゾーンから宿泊ゾーンへ移動し、ものつくり体験ゾーンには、利用者がいなくなった状態になります。
朝になると利用者は、朝食を済ませて、ものつくり体験ゾーンへ移動しますので、今度は宿泊ゾーンから利用者がいなくなります。
利用者のいなくなった宿泊ゾーンでは、再びもどってくるまでの時間帯で、宿泊室の清掃作業が行われます。
夜間から朝にかけては、施設利用者が使用する表のゾーンであったのに、昼間は裏のサービスゾーンに切りかわるのが、宿泊ゾーンの特徴的なところです。
こういった時間帯による変化を考慮せず、同じ施設利用者のゾーンだからということで、機械的ゾーニングもどきをしてしまうと、日中、施設利用者から
清掃作業が丸見えであったり、宿泊室の清掃中に宿泊室前の廊下を利用者がゾロゾロということになります。
1階では、管理・サービスゾーンをガチガチに動線分離していても、このような矛盾をつくっていては、本当の意味でのゾーニング・動線計画が理解できていないことが図面に表れてしまいます。
機械的にグルーピングするだけでなく、各ゾーン、各スペースで起こりうることを、時間を追ってストーリー立てて考え、ゾーンを割り振っていくことにゾーニングの本質があると考えます。
動線計画についても、いつ誰がどういう行動をし、何が運び込まれ、何が運び出されるのか、時間を追って不都合が生じないように考えていくことに、その本質があるはずです。
宿泊ゾーンは、個のスペースでもありますので、他のゾーンから独立させる必要があるのだと思います。
そして、上の通り、時間帯によってゾーンの位置づけが切りかわっていくから、独立性が必要なのだと考えます。
以上、宿泊ゾーンについて書きましたが、課題に取り組む上で大事なことは、取り組んだ課題から何が訓練できていて、何が訓練できていないか自覚しておくことだと思います。
宿泊機能の構成の仕方には、いくつかのケースが考えられますので、それぞれに生じうる問題点をよく理解し、偏重しないよう取り組んでいくことが大切です。
ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。
2004年9月1日
建築士の塾 木藤浩実
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