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◆ハートビル法の目的
ハートビル法第1条に「目的」がありますが、その主旨は、高齢者や身体障害者等の方々の主体性、自立性を確保しつつ、日常の社会活動に積極的に参加することができるよう建築物の質を高めていくことにあるかと思います。
そして、階段や廊下等を特定施設と定めていますが、告示にあるように基礎的基準や誘導的基準の適用範囲を、不特定かつ多数の者が利用するものに限っています。
したがって、屋外避難階段など、通常では不特定かつ多数の一般利用者が使用することのない施設については、ハートビル法の適用外ということになります。
◆180cmという寸法の意味
ハートビル法の寸法の考え方として、180cmという寸法は、「車いすが回転しやすい寸法」「車いすどうしが行き違いやすい寸法」とされています。
誘導的基準では、廊下や敷地内の通路を180cm以上と規定していますが、これは、ハートビル法の目的にあるように、車いすを使用している方々でも、不自由を感じることなく、行ったり来たりができるよう配慮してのことだと考えます。
◆敷地内の通路
ハートビル法上の「敷地内の通路」は、不特定かつ多数の者が利用する建築物の出入口から道路や駐車場に至る通路を対象とし、誘導的基準では幅員180cm以上と告示で規定しています。
例えば、職員の通用口から、非常時の避難動線が設定される場合、この屋外の通路は、上記の対象とはならないはずです。
先の通り、「通常では不特定かつ多数の一般利用者が使用することのない施設については、ハートビル法の適用外」とされているからです。
避難に関する規定は、建築基準法の範疇であり、施行令第128条にあるように、出口から道路や公園に直通するもので、有効幅(柱のあるところ)1.5m以上が確保できていればよいことになります。
また、避難するときは皆同じ方向であるはずなのに、車いすどうしの行き違いを想定した
180cmという寸法を当てはめようとすることがそもそも矛盾しているとも言えます。
何でもかんでも、屋外にある通路をハートビル法の対象と固定してしまうと、建築物と敷地境界線との反対側の空きが厳しくなり、広場や駐車場などの屋外施設の確保に難点を生じる可能性が出てきます。
屋外避難通路が設定される場合は、非常口に該当するところがあるのですから、その出入口の位置づけを自分でどう設計しているのか明確にしておく習慣をもつことが重要です。
法的に問題もなく減点されるはずもないところで、減点を恐れるあまり過剰とも言える設計をしてしまうと、他のところにそのしわ寄せがいくことがあるのだと認識しておくことも大事だと思います。
もちろん、余裕をもってスペースを確保することに意味はあるのですが、空きが取れないのに無理に取らなければいけないと呪縛をかけてしまうのは逆に意味のないことだと思います。
ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。
2000年9月24日
建築士の塾 木藤浩実
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