窓を設けるということについて一言!

 

 
◆居室とは

建築基準法第2条第4号「用語の定義」において、居室とは「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」と定められています。
ここで、継続的に使用するとありますが、これには、同じ人が継続的に使用する場合だけでなく、不特定多数が入れ替わりながらも継続して使用する場合を含みます。
法律において「居室」を定義し、環境衛生や火災時の安全性を確保するために、採光や換気、また、無窓の居室に対する避難・内装制限などを厳しく規定しています。

◆窓を設けることの目的

建築物の居室に窓を設ける目的には、採光・換気、排煙・避難などがあるかと思います。
法的な義務としては、建築基準法第28条「居室の採光及び換気」において、開口部の床面積に対する割合を規定しています。
換気については、すべての用途の居室に窓が必要としていますが、換気設備を設けることによって窓にかえることができるとされています。
これに対し、採光については、居住施設・医療施設・教育施設における窓の大きさを規定しています。環境衛生の点から、自然光を開口部から採り入れ明るさを確保することが採光ですので、人工光源による照明によって明るくできても、窓は必要になります。
また、排煙の点で言えば、窓が全くないわけではなくても、法令上「無窓の居室(通称)」と定義されたものについては、フラッシュオーバーの要因となる可燃性ガスが有効に排出されないなどの理由から、用途にかかわらず内装制限や直通階段までの歩行距離などが厳しく規定されています。

◆窓を設けるかどうかの判断

上の通り窓を設ける目的は、単に採光だけの問題ではなく、換気の確保や、火災時の排煙の問題などが絡んできます。
環境衛生の点から考えれば、法的に窓を設けることが義務づけられていなくても、窓を設けた方が良いと言えるでしょう。
例えば、コミュニティセンターの管理事務室などは、採光のために法的制限を受けるものではありませんが、居室である以上、窓を設ける方向でプランニングしていくべきかと思います。
しかし、受付カウンターを設けることが条件づけられていれば、エントランスホールからわかりやすい位置に設けることも必要であり、場合によっては、外壁面に配置できないこともでてくるでしょう。
こういった環境衛生の点、事務室としての機能の点、これらを両立できない場合は、どちらかを捨てる(減点を覚悟する)ことも必要なのが設計の難しいところであると思います。
プランは人それぞれ違うのですから、各所要室に窓が必要かどうかは、環境衛生の点、機能の点といった選択肢の中で、何を優先させれば、全体がまとまるかで判断すべきことであり、その答えは1つではないはずです。

ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。

2000年9月11日
建築士の塾 木藤浩実


[ホーム]    [一言!]    [オンライン講義]