5つの中から1つを絞り込むことについて一言!

 

 
◆最も不適当なものを絞り込む

「次の記述のうち、最も不適当なものはどれか」と問いかけられれば、選択肢の中から不適当なものを「1つ絞り込む」ことになります。
ここで、「絞り込む」と表現しましたが、はじめから答えを1つ選ぶという意識ではなく、5つの選択肢1つ1つの記述について正誤の吟味をし、その結果として最終判断をするという意味と考えて下さい。
近年の試験の特徴として、記述1つ1つに対し、単純に「マル」か「バツ」かを決めつけてしまうと判断を誤る可能性があります。
自分のもっている知識で判断すると「バツ」なのだけど、出題の意図は例外的なところまで踏み込んでいないのか?ということも考え、他の選択肢を読む必要があると思います。
無意識の中で、これが答えだと決めつけて他の選択肢を読み流してしまうと、よく考えれば気付くことでも見逃してしまう可能性が出てきます。

◆マルかバツかの判断

施工の問題で「高強度コンクリートの施工において、練混ぜから打込み終了までの時間を、外気温にかかわらず120分を限度として管理した」と出題されたとします。
この正誤を判断する知識として、よく学習している人であれば、JASS5の規定「コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25度未満で120分、25度以上で90分とする」を頭の中で検索してくるかと思います。
先程「単純に「マル」か「バツ」かを決めつけてしまうと判断を誤る」と言いましたが、高強度コンクリートであることに着目できなければ、「バツ」との判断になってしまいます。
他の選択肢に、より不適当なものがあれば、「待てよ」と踏みとどまることもできるかと思います。
しかし、最後にこれを含めて2つの記述まで絞り込めて、もう一方が何とも判断し難い記述であれば、心理的には限りなく「バツ」と確信してしまうでしょう。
結論を言いますと、高強度コンクリートは、JASS5において「練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温にかかわらず一律120分」と規定されていますので、上の記述は正しく「マル」になります。
規定の根拠として、高強度コンクリートは高性能AE減水剤を用いていることで、スランプの経時変化が小さくなることがあげられています。
仮にこの規定を知らなくても、「高強度コンクリート」と出題に条件が設定されている以上、普通コンクリートとの調合の違いに意図を推測してみることはできるのではないでしょうか。
・高強度であることから、水セメント比が小さい
・良好なワーカビリティーを確保するための混和剤の使用 など
考えられることを考えてみることは大事なことだと思います。

◆サンカクを含めた絞り込み

5つの選択肢すべてを「マル」か「バツ」かに判別できない問題も出てくるかと思います。
「最も不適当なものはどれか」との問で、1つの記述は「バツ」、もう1つの記述は「マル」とも「バツ」とも判断できず「サンカク」を付け、このどちらかに最終的な絞り込みをしようとするときは、出題の意図を自分なりに考えてみて下さい。
あまりにも慎重になりすぎると結論が出せなくなってしまいますが、最後に良く考えて「1つに絞り込む」ことは絶対必要だと思います。

ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。

2000年6月26日
建築士の塾 木藤浩実


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