まずは昨年の基準法改正点からの出題

について一言! その一

 

 
昨年の法規の試験では、一級・二級とも、平成10年6月12日に公布された「建築基準法の一部を改正する法律(平成10年法律第100号)」のうち、平成11年5月1日に施行された「1年以内施行」の部分が適用法令となりました。
今年も同様であると予想すれば、6月12日までに施行される「2年以内施行」の部分が適用法令となる可能性があります。
性能規定化にともない条文が変わるのですから、当然、条文に基づいた出題の記述においても、その表現が過去とは違ってくるところが出てきます。
これはこれとして押えておかなくてはなりませんが、昨年の問題を見ますと、今年改正されるところが適用されることになったとしても、そんなに深く掘り下げた出題にはならないのではいかと考えられます。
法規の本試験の問題を作成していた元試験委員(建築士法第15条の6)の方との雑談になりますが、出題する側として、「改正された年には、なかなか出題しづらいが、改正の翌年には必ず出題する。」と話していました。
こういったことを含めて考えますと、今年の改正点に目を向けることも大切ですが、むしろ昨年改正されている点にも注意を払うべきではないでしょうか。
以下、一級・二級の昨年の本試験で改正点から出題されている内容についてまとめてみます。

◆確認済証の交付を受ける必要があるかないかという表現

過去の出題で「建築基準法上、確認申請が必要なものは、次のうちどれか。〜」との問で、1番から5番の選択肢に、構造・規模・用途といった条件を示したものがあります。
こういった出題は、昨年から「建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要があるものは、次のうちどれか。〜」と表現されています。
解答する側からすれば、出題の意図はどちらも同じに読み取れるので問題はないかもしれませんが、出題としてはある矛盾を抱えてしまいます。
ここでまず、法改正により、建築確認(中間検査・完了検査)において、従来の建築主事と民間の指定確認検査機関との選択ができるようになった以下の2つの規定を確認しておきましょう。

  • 法第6条第1項「建築主は、確認の申請を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。」
  • 法第6条の2第1項「建設大臣又は都道府県知事が指定した者(指定確認検査機関)の確認を受け、確認済証の交付を受けたときは、第6条第1項の確認済証とみなす。」(ここでは申請という言葉は使われていないことに注目)
行政手続法において、申請とは、「法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為〜」とありますので、確認申請は建築主事に対するものと解釈できます。
これに対し、確認済証の交付に関する基準は、建築主事に対しても指定確認検査機関に対しても、法律上共通していますので、出題の表現が上のように変わったと考えられます。
また、過去の出題に「〜は、建築主事の確認を必要とする〜である。」とありますが、指定確認検査機関から確認済証の交付を受ければ、建築主事の確認(確認申請)は不要になりますので、過去正しかった記述でも、法改正後は誤った記述になってしまいます。
法第6条の2第1項に基づいた昨年の一級での出題にも、「一級建築士が設計した建築物の計画について、建設大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、確認済証の交付を受けたときは、当該確認及び当該確認済証の交付は、建築主事が行ったものとみなす」とありますので、法第6条と法第6条の2を一対のものとして、よく整理しておくことが必要だと思います。

ご意見・ご質問などあれば、kito@archicom.co.jpまでご連絡下さい。

2000年2月21日
建築士の塾 木藤浩実


[ホーム]    [一言!]    [オンライン講義]