平成23年一級建築士設計製図試験解答例

介護老人保健施設

(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)


 建築士の塾にて、本試験の解答例を作成しましたので参考にしてみて下さい。なお、解答例は、本試験与条件を当塾独自に解答し、1つの考え方として位置づけています。

 まず、敷地・周辺状況から読み取れることですが、当塾の「課題3」とほぼ同じ敷地条件でしたので、課題3を作成する上で考えたことを書きます。療養室等法規上の採光が必要な室が多いことから、道路、公園といった採光をクリアしやすいものを3面設定しています。また、5階建ての高さになると、幅員8mの道路斜線にかかる可能性が出てきますので、幅員の大きい道路による2Aかつ35mの緩和エリアの設定範囲を考える必要があります。幅員を18mにすることで敷地全体が緩和エリアとなり斜線を考慮しながらの配置とする必要がなくなります。これを幅員15mとすれば緩和のエリア外で配置上の制約を受けますので、課題としての難易度は高くなります。
 本試験は課題3と同様に幅員を18mにしていますが、斜線をかわす配置上の制約をなくすようあえて設定しているのだと思います。ただし、この裏返しになりますが、意味なく幅員8mの道路からセットバックさせていると、緩和規定の理解不足の印象を与えることにはなるでしょう。

 次に、解答例の基準階の構成になりますが、居室を道路と公園に面して配置する方向で検討をはじめています。明るく開放的な空間とすることが求められている食堂を公園に面して配置することとした場合、構成上、東西の道路に面して療養室を配置することになってきます。療養室は、その大きさ・室数から8グリッド必要になることが見込まれますので、東西方向に4スパン、南北方向に5スパンを確保する方向で進めています。療養室の大きさから東西方向7m、南北方向6mのスパン割りとしてボリュームを出してみましたが4,000m2以下に納めることが難しそうだったので、7mの一部を調整して6mスパンにしました。
 ゾーニングの話に移りますが、食事の運搬動線を考えると、南側に配置することとなる基準階の食堂(2階に設置することになる食堂・デイルームも同じ)と厨房・サービス用EV等との位置関係に配慮する必要があります。このことから管理・サービスゾーンを南寄りの設定として、各階で同一ゾーンが重なるような構成にして、縦の動線(EV、階段)を確保しています。
 また、これに加え2方向避難の観点から主階段を北寄りに配置し、北側を施設利用者ゾーンとして、エントランスホール、寝台用EV等の配置を決めています。

 最後に1、2階の主な要求室の振り分けですが、通常、デイケア通所者が利用する機能訓練室、食堂・デイルーム、浴室Bを2階にまとめることで、来所・退所時以外は、2階で移動すればいいように配慮しています。2階の構成については、明るく開放的な空間とすることが求められている食堂・デイルームを南側に配置することで、必然的に北側に配置した寝台用EVから最も奥になってきます。デイケア通所者のみが利用する食堂・デイルームを奥、入所者も共用する機能訓練室、浴室Bを手前としてゾーンを整理した構成としています。

 毎年言えることですが、合格者でも部分的な難点はかかえているし、プランも一様ではありません。
 大切なのは、プランの骨格すなわち空間構成(配置計画、ゾーニング・動線計画、立体構成、スパン割)がしっかりまとまっていることだと思います。人と違う考えであっても、それが現実的なプランであり、その考えがしっかり計画の要点等に記述されているなら採点者を説得できるはずです。また、ある程度の受験者が同じような難点をかかえているとしたら、その部分での差はつきにくいとも言えます。
 後になれば色々な不安が出てくるでしょうが、結果は、発表までは誰にもわかるものではありませんので、「待つ」ことが建築士の試験の最後の試練と言えます。


一級建築士設計製図課題「介護老人保健施設」課題3
 本試験類似課題

※当塾で作成している課題(平成17年〜23年)は、以下のメニューに掲載し、無料でダウンロードできますので、参考にして下さい。

pre設計製図通信講座

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性別
男性 女性

年齢
10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳以上

平成23年の受験
学科から 製図から 未受験 既資格者

勤務先の業種

設計事務所 積算事務所
コンサルタント業 建設業
官公庁 住宅メーカー
建材・設備メーカー 不動産業
団体(社団・財団等) 教育関係
学生 その他

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